初心者でも解る
ホタルイカ掬いのポイント





【ホタルイカについて】

富山湾のホタルイカは普段、水深約200m〜600mの深海に生息し、
毎年3月から6月上旬にかけて、夜になると産卵のため海岸近くまで大群となって押し寄せてきます。
日本近海で海岸近くまで大群をなして集まるのは富山湾だけであり、
富山市常願寺川河口から魚津港までの沖合1.3kmまでの海面は、「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。

ホタルイカの寿命は、ほぼ1年とされ
皆さんが食べている富山湾のホタルイカの殆どがメス(♀)のホタルイカです。
オス(♂)は深海で交尾後一生を終えます。

※ 兵庫県や鳥取県の様な底曳き網漁の場合は、オス(♂)や産卵前のメス(♀)も捕れます。


ホタルイカは、大陸棚の縁辺が湾入した場所に集まり産卵します。

産卵を終えたホタルイカが海岸に打ち寄せられる事を「ホタルイカの身投げ」と言います。
身投げをしなくても海中で死んでしまいます。



ホタルイカの卵















【発光の秘密】

ホタルイカは体に大小数多くの発光器を持っています。
4番目の腕の先にある大きな発光器は、敵に襲われたり、網にかかったりすると強く光ります。
また、胴体の表面には小さな発光器が約1000個もあり、それらは自分の影を消して、外敵から身を守る目的で発光すると考えられています。
定置網で引き揚げる際にホタルイカが青白く発光する光景は、まるで蛍が乱舞しているかのようであり、実に幻想的で、富山湾の春の風物詩となっています。



【発生の仕組み】

日が沈み、徐々に暗くなる光を感知してホタルイカが深海から浮上、月の光が海中に差して生じる偏光を頼りに移動する。
だが、月明かりのない新月では偏光を見失って、深海に戻れず、海底からの湧昇(ゆうしょう)流(上昇海流)で海岸寄りに運ばれる。
ホタルイカが嫌う河口付近の淡水が南風で沖に押し流されれば、より海岸に近づく。


【ホタルイカの身投げが起り易い条件】

@身投げシーズンの新月前後
A新月時期に満潮になる深夜−未明
B日中が晴れて海面が雨水や川の淡水で濁らない
C陸から沖に南風が吹く
D波は凪(なぎ)
E発生ポイントは神通川や早月川などの河口周辺の海岸並びに港など


深夜になる為、近隣住民のご迷惑にならない様にご注意下さい!


海のルールとマナー教本

富山湾遊漁マップ




【Q&A】


Q.雨の日は捕れないの?

A.捕れなくはないでしょうが海面は見辛いうえ数は期待出来ないでしょう!
  【ホタルイカの身投げが起り易い条件】のBを参考にして下さい。


Q.どの様な道具が必要ですか?

A.どこで捕るかによって道具が変わります。

 海岸などの砂浜に身投げされたホタルイカを拾らうのなら懐中電灯とコンビニ袋でOKです。
  (※但し、砂を噛んでいるので解体して刺身か釣り餌用にしか出来ないでしょう)

 海に入り身投げする前に掬う場合はウェーダー(長靴と合羽ズボンがつながった物?)とヘットライトと網です。 

 港等の堤防からですと長い竿の網と懐中電灯で充分だと思います。
 投光器と発電機は慣れてからでいいと思います。




 【投光器(明かり)等に集まるホタルイカの様子です】
  
※ ホタルイカは、警戒心が強くライトの光りを不意に当てると逃げます。







※ 初心者の方は港等で投光器で海面を照らしている方々の邪魔にならない様にし先に居る方に「ここ良いですか?」と声を掛けて下さい!



Q.いつまで捕れるの?

A.過去のデータによると6月23日に身投げが有った記録があります。
但し、サイズが大きくなり身は固くなり脂が多いです。

秋に捕れた新聞記事



Q.何時位に捕れるの?

A.基本的に20:00〜翌日の6:00です。
ホタルイカは、深海より満潮時をめがけて産卵をしに浮上してくると考えられています。
ですので満潮の1〜2時間前後が発生率が高いですが 、前日の迷子さん達が早い時間帯(20時位から)捕れる事もあります。

自然相手の正確な予想は困難です。

確率より粘りだと思います!


Q.ホタルイカには寄生虫が居ると聞きますが、どの様に処理をしたら良いの?

A.【安全な食べ方】
内臓ごとの生食や踊り喰いなど生食は危険です!!
刺身や昆布〆を作る際は内臓を完全に取り除くこと。


●安全な状態と食べ方

加熱する!
寄生虫は、高温に弱いため沸騰したお湯で30秒以上
中心温度60度以上で茹でれば安全です。

この条件で冷凍処理をすれば寄生虫は死滅します。
◇−30℃で4日以上
◇−35℃(中心温度)で15時間以上
◇−40℃で40分以上凍結処理



私の場合は、怖いので家庭用冷凍庫(-18℃ 〜 -20℃)で最低でも1週間は凍らせます!